COLUMN

2026.09.30

ジョブ理論とは?ターゲット顧客の隠れたニーズを知る方法

目次

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わが社の成長の意思を取り巻く環境と未来思考を阻む障壁

わが社の成長の意思を取り巻く環境と未来思考を阻む障壁

(1)新規事業開発に着手したがゆえに抱える悩み

中長期ビジョンの構築、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の制定を行っている企業が多数を占めています。 昨今では企業規模(売上高)を問わず『100億宣言』を行っている企業が増えています。 公表開始(2025年6月)から約1年2カ月で3,531社(2026年8月16日現在:https://growth-100-oku.smrj.go.jp/companies/)となり、成長意欲はますます高くなっていると言えます。一方"未来への努力は皆がしている"状態だと言えます。 企業の成長を考察する時、既存事業の伸展と同時に新規事業開発を検討します。 新規事業を検討する際に、考察するメンバーの思考を阻むことがあります。
1点目は古くから言われるプロダクトアウト思考。
2点目は自社完結思考。
3点目は既存事業のバリューチェーンの延長線上で考える思考。
共通していることは、『自社の経験と知っている範囲で検討している』ことと言えます。 いわゆる既存の『延長線上』のビジョンになる原因だと言えます。

(2)業績構造を紐解く

現在のわが社の業績構造を紐解き、その内容を説明できる方はどれほどおられるでしょうか?私の役割柄『業績が良い会社はどのような会社なのか?』との質問を頻繁にいただきます。その質問へのご回答の1つが、『業績構造を説明できること』です。業績構造は売上区分、利益区分を織り成したものであり、それを紐解けば1件1件の商いの積み重ねとなります。BtoB、BtoC問わず1件1件の商いがなければ業績を創ることはできません。この商いの向こう側には顧客がいます。経営計画を策定する際にはターゲットという呼び方をすることが多いですが、このターゲットの変化を予測し自社の強みから生み出したプロダクトやサービスを提供することで、将来の業績構造をいかに変えるのかを考察します。

(3)中期経営計画が表現していることは、業績構造を変えるための経営資源配分

一度、中期経営計画とは何なのかに触れてから話を元に戻します。中期経営計画は行動計画に焦点が当てられますが、その実は中長期に目指すわが社の姿を実現させるための経営資源再分配書と捉えていただきたいと考えています。このように捉えると、業績構造をいかに変えるのか?が重要な論点となります。多くのケースは売上規模の拡大、利益額または利益率の改善または拡大が設計されます。
売上規模や利益規模は前述のように、1件1件の商いの積み重ねですから、誰を対象に商売を行うのかを設計する必要があります。ここで論点を戻すと本論のテーマであるターゲット顧客は誰なのか?誰に設定するのか?となります。

(4)成長する企業は顧客が入れ替わっている

『業績が良い会社はどのような会社なのか?』との質問を受けることを前述しました。もう1つの特徴は顧客基盤が入れ替わっているとの事実があることです。現状分析段階で業績基盤分析を行う際、必ず顧客基盤分析を行います。趨勢分析を行うと顧客基盤の変遷が詳らかになります。一社取引ウエイトが極端に偏っている、業績の8割がトップ2社で構成されている、しかも数十年変化がない、といった状態です。このようになると業績基盤が毀損するリスクは想像に難くありません。顧客基盤が入れ替わっている企業の共通項は結果的にそのようになっているのではなく、初動の手は自社から打っていると言えます。その物語は長期ビジョンと中期経営計画に設計され、経営資源再配分を行い、業績構造を変えるために顧客基盤構造を変えている事実があります。顧客基盤構造を変えるために、誰と付き合いたいのかを言葉で表現して設計することが必須と言えます。言葉にしなければ伝わらないため、言葉で表現しておく必要があります。

ジョブ理論とは何か?何をすることなのか?

ジョブ理論とは何か?何をすることなのか?

(1)自社・自身の悩みを片づけるために、何を雇うのか?

ある特定の状況で自社・自身が成し遂げたい進歩を"ジョブ"と呼びます。それらの"ジョブ"を片づける手段または解決策として、特定の製品やサービスを"雇う"ことが商いとなっていきます。"片づけるべきジョブ"はJobs-to-be-doneを日本語訳した表現で、これまでは"片づけるべき用事"または"片づけなくてはならない用事"とも訳されていました。現在は「片づけるべきジョブ」の訳が広く定着しています。これらの理論は企業成長戦略の立案、新規事業開発、新商品開発、バリューチェーンのイノベーション等、様々な場面で活用されています。

(2)ジョブ理論で明らかにすること

先に目指す状態に言及します。『●●する』という自社の商品やサービスに名付けた名称が代名詞になる状態です。これがジョブ理論でいうところの顧客に雇用された状態と言えます。今までの『いかに買ってもらうのか』と何が違うのか?ということですが、その論点に対しては『継続と再現性』の有無です。この論点から、明らかにすることは①顧客の置かれている状況や状態、②現在は何で解決しているのか?、③我慢、妥協していることは何か?、④いつでも、どこでもの再現性を実現できるのか?『●●する』という状態を生み出すためには、それらを表現できる想像力と表現力が自社または自グループに必要だと言えます。

(3)自社完結、自社だけの自前主義では持続的成長は望めない

前述したように、ジョブ理論を実行する際には想像力と表現力を高めることは欠くことができません。想像力は自社のステークホルダーのジョブを想像し検討するために、表現力は想定するステークホルダーに伝え切り、ステークホルダーが選択する際の土俵に上がるために、組織で具備するべきスキルだと言えます。
まずは、目指す状態を表現すること、そのために必要な条件整備が構築できるパートナー企業と連携することを検討していただきたいと考えます。

著者

タナベコンサルティング
エグゼクティブパートナー
中部本部

浅井 尊行

外資系ホテル並びに外食産業で部門マネジメント、プロモーション施策、店舗統括、新店舗立上げを経験し当社へ入社。「ビジネスパートナーとしてクライアントの迷いを断ち切り、孤独感を和らげること」を信条とし、ミッション・ビジョン・中長期経営計画の構築並びに実行推進まで『コンセプト&オペレーションのマッチング』をコンセプトとしたコンサルティングを展開する。ビジョン達成に向けた社内研修も企画から携わり、推進している。

浅井 尊行

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