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企業価値向上に欠かせない
パーパスブランディング

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目にすることも多くなった「パーパス」という言葉ですが、この言葉が企業経営においてどのような意味で使われているのかご存じでしょうか。そして、なぜ多くの企業がパーパスを策定し、経営指針として掲げるようになったのでしょうか。
背景や言葉の意味、定義と、パーパスを起点にブランド力向上を図る、パーパスブランディングについて、本コラムでは深掘りしていきます。

「パーパス」の意味と定義

まず、パーパス(Purpose)を辞書で調べると「目的」「意図」「決意」などの言葉がヒットします。この言葉の通り、パーパスは経営を行う上での目的や決意を表しますが、タナベコンサルティングでは、経営におけるパーパスを「社会に対する貢献価値」と定義しています。

これは、貴社が保有する価値をもって、どんな社会課題を解決に導くのか、どのように社会の発展に寄与するのか、ということを意味しています。また、パーパスとあわせて意識したいのが、パーパスを構成する主要な要素でもあるミッション・ビジョン・バリューです。それぞれの定義は以下のとおりです。

・ミッション(Mission)...企業・組織が経営を通じて社会に果たすべき使命や存在意義
・ビジョン(Vision)...目指すべき理想像・あるべき姿
・バリュー(Value)...ビジョン実現のために社員一人ひとりが持つべき行動指針・行動基準

これらを総じてパーパス体系(P-MVV)と呼びます。

パーパス体系はなぜ構築する必要があるのか

なぜ昨今、パーパスを策定する企業が増えているのか。また、策定したパーパスを中心にブランディングを行っているのか。それは、世の中の変化に要因があります。

パーパスがビジネスにおいて使用され始めたのは、2019年頃とされています。それまでは、企業理念からはじまり社是・社訓・綱領・憲章などの言葉が使われていました。これらは資本主義の真っ只中に作られ、企業の成長や拡大、サービスの普及、社員への利益還元などが基盤に考えられた言葉であることが多く、今の時代では社会から受け入れられにくく、共感を生み出す要素が少ないという状況となりました。そこで、世の中から求められている価値や、世の中が抱えている課題にフォーカスした、社会性の高いパーパス体系へと刷新している企業が増えているという訳です。

パーパスブランディングとは

上記で説明したパーパスを「企業から発信するメッセージの核」としてブランディングを実施することを、パーパスブランディングと呼びます。企業としての強みや、サービスの優位性ばかりを訴求するのではなく、貴社が存在することが、いかに社会に良い影響を与えるかというメッセージ性を意識することが重要になります。

この時に意識すべきポイントは以下の3点です。

1. 現在保有している価値を正しく理解する

まずは調査・分析が不可欠です。どのような価値を駆使して、どのような社会貢献を果たすかというメッセージが重要になりますので、貴社が今どんな価値を保有しているのか、そしてどんな価値がステークホルダーから評価されているのかを正しく把握する必要があります。そのためにはブランド調査や社内外へのアンケート、市場調査、競合他社分析などが効果的です。

2. 情緒的な価値訴求を意識する

パーパスブランディングにおいては、いずれのステークホルダーにおいても共感を生み出すことが一つのゴールになります。そのためには、「どんな言葉を設定しているか」よりも「どんな思いが込められているか」を伝えることが重要になります。かみ砕くと、「説明」するのではなく「感動」させたいということです。そのためにはデザインや構成などの表現において、いかに工夫するかが大切になります。

3. 社内への理解・浸透を徹底する

ブランディングとは、広告活動だけを指すものではありません。企業のイメージが形成される取り組みはすべてブランディング活動だと言えます。たとえば、営業の方がお客様と話をした際に、お客様が営業の方に抱いた印象も、まぎれもなく一つのブランドとなります。つまり、どれだけメディアなどを通じて企業からブランド訴求を行ったとしても、従業員の理解が統一されていないとブランドは毀損されるリスクが高いということになります。裏を返すと、社員一人ひとりが自社のパーパス体系を理解し、共感した上で実践できている組織ならば、さらに強固なブランド形成が可能になるということです。

ブランディング活動では、広告や広報などの「アウターブランディング」に意識が取られがちですが、実はより真っ先に重点的に取り組むべきは「インナーブランディング」であります。インナーブランディングを成功させる秘訣については、こちらのコラムに記載していますので、ぜひご一読ください。

コラム「インナーブランディングとは?パーパスで進めるインナーブランディング」

最後に

今回はパーパスの定義からはじまり、パーパス体系、パーパスブランディングの説明をさせていただきました。最後に記載した、パーパスブランディングを行う上で意識すべき3つの項目に関しては、ぜひご理解いただき具体的なお取り組みの一助になれれば幸いです。

より具体的な取り組み事例や、プロセスの説明に関しては、ぜひお問合せいただければと幸いです。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
コンサルタント

彦坂 俊樹

テレビ放送局営業部にてカーディーラー、ハウスメーカー、製造業、物流業、行政団体等、様々な業界へTVCM枠や番組枠を活用したプロモーション支援を行った後、当社に入社。メディア媒体を活用した効果的なプロモーション施策の設計や、アニメーション・実写問わず目的に沿った動画コンテンツの作成を強みとし、誰に何を伝えたいかを見極めた上で適したプロモーション支援を行う。

彦坂 俊樹
ブランディングに関する相談会

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CONSULTATION 相談会

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来68年間で大企業から中堅企業まで約200業種、18,900社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

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