COLUMN

2022.11.11

SDGs何から始める

SDGsを意識しない

今日は何時に起きましたか?

朝起きて洗面所の電気付けて、鏡の電気もつけて、顔を洗い、歯磨きをして・・・。
朝食はコンビニで買う日もあれば、カフェでモーニングの日もある・・・。
毎週のゴミの日も量は変わらない。雨が降ると傘を買う。
帰宅してから、シャワー・入浴、テレビをつけたままスマホ・・・。

きっとこの中にも「節電・節水」「マイバック・マイボトルの活用」「フードロスの削減」「ゴミの削減」「移動によるCO2排出削減」「家事の分担」「災害への備え・対策」など細かい事ですができることがあるはずです。1人が与える影響や効果は微々たるものですが1人が始めないと何も変わりません。"小さな無駄"に気を付ける事はとても大きなメリットがあります。例えば、30分毎に1分短縮すると1日で48分、1か月のサイクルを1日早めると年間で12日間の時間を生むことになります。

SDGsには17の目標がありますが「SDGsに取り組もう」と考えるのではなく毎日の生活の中で「こうした方が効率的かな」「これは無くても困らない」という"日々の当たり前"を疑い、見直すことに副産物として大きな効果があると言えます。

求められている事に対応することが存在価値

企業経営や業務の効率化において最も重要なことは日々のカイゼンです。企業は環境適応業と言われます。また、存在価値は"求められている事"と"持ち味"の接点にあります。求められている事に対応していかなければ、会社も個人も存在価値はありません。
日々の中では"求められている事"に気付かないこともあります。多くの企業で自社の強み・ノウハウに気付いていない場面を見かけます。企業が創業してから50年存続する確率は1%未満という調査結果もあります。

日本で初めてプラスチック製トランプを製造した会社は1902年という記録があります。今では年間売上1兆円を超えるグローバル企業です。例えば、その企業が「わが社が初めてトランプを製造した」と慢心してトランプのみ製造販売していたら今の企業規模にはなっていないはずです。同社は「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神を大切にして時代に合わせて自らを柔軟に変化させながら強みを活かして他とは違うユニークな娯楽を提案することによって持続的成長と企業価値の向上に努めています。

もしも、貴社が提供している製品やサービスが無くなったら誰が・なぜ困るでしょうか?
貴社以外が提供しても解決できない価値は何でしょうか?

貴社以外が提供しても解決できない価値はあるはずです。その価値を改めて認識し、社内外に発信していくべきです。自社の存在価値を高めていきましょう。

SDGsは"価値観"ととらえる

近年では価値観が多様化している。と言われていますが、価値観とは自身の生活環境や時代背景が大きく影響しています。 時代背景を少し整理して振り返ってみます。

1990年に大学新卒で入社した方は現在約55歳です。新幹線のぞみ開通、コメ不足、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、Windows95発売、消費税5%、大手銀行の合併などがありました。2000年に入社した方は現在約45歳です。ニンテンドーDS、プレイステーション、iphone発売、交通系ICの導入、そしてリーマン・ショックです。2010~2020年にはJALの再建、LINEがサービス開始2年で1億人を突破、人間型ロボット、ソフトバンク社が純利益額でドコモ社を追い抜くなどがありました。2010年4月に大学新卒の皆さんとグループワークをする機会がありましたが既に転職するならどんな資格が有効なのか。を考えている方々が多くいました。リーマン・ショックで大手企業でも人員解雇するニュースなどを見ていたようです。

働き方カイカクもSDGsも今、世の中が求めている時代背景なのです。「自社がSDGsを掲げているので取り組まないといけない」と捉えるのではなく、シンプルに、お客様も消費者も仕入・調達先も貴社への採用応募者も皆で時代の価値観に合わせていくことが求められていると認識しましょう。半面で"時代の価値観"に対応していかないと取り残されます。

まず始める事

まず始める事は"価値観"を受け入れる事です。

そのためにも言葉遣いに気を付けましょう。節約していることを「ケチ」と言わない事、性別や国籍などを主語にしない事など自分以外の人の言動や新しい取り組みについて批判せずに受け入れる事は誰にでもできるはずです。近年は"心理的安全性"というキーワードも多く取り上げられています。"こんな事を提案してもバカにされたらどうしよう""自分が無知だと思われたらどうしよう"という気持ちになれば提案する機会が減ります。個人がイキイキと働き、生産性を高めるためには自身の価値観を受け入れてもらえている。と実感することが非常に重要です。管理職や経営者の方から「提案が少ない」という言葉を聞くこともありますが、もしかすると周囲が提案しない原因は管理職や経営者自身にあるかもしれません。

まずは否定・批判しない言葉遣いから始めてみることをオススメします。

著者

タナベコンサルティング
執行役員
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部

土井 大輔

大手システム機器商社を経て当社に入社。2016年より“物流が世の中を支えている”と物流経営研究会を立ち上げ、物流業のサステナブルモデルを開発。”荷主側“の経営課題を把握した上で物流会社の事業戦略構築を得意とする。また、製造・卸売・小売・サービス・建設業の経営支援も数多く手掛け、熱意あふれるクライアントファーストの姿勢でのコンサルティング展開で多くのファンを持つ。

土井 大輔

ABOUT

タナベコンサルティンググループは
「日本には企業を救う仕事が必要だ」という
志を掲げた1957年の創業以来、
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、
17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。

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