COLUMN

2026.07.30

BtoB企業における営業戦略策定のポイント
「顧客の声」を起点に、実行される戦略をつくる

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BtoB企業における営業戦略策定のポイント――「顧客の声」を起点に、実行される戦略をつくる

営業戦略は「感覚」ではなく顧客の声の見える化から始める

BtoB企業の営業戦略策定で起こりやすい課題の一つが、顧客理解を営業担当者の経験や感覚に頼ってしまうことです。「長年取引があるから問題ない」「最近クレームがないから満足しているはず」といった認識は、必ずしも実態を表しているとは限りません。特にBtoB取引は一社当たりの売上規模が大きく、担当者の異動や競合の提案次第で取引が大きく変化するため、わずかな不満の見落としが大きな機会損失につながります。

実際には、表に出ているクレームよりも、声になっていない不満のほうが多いことも少なくありません。顧客は不満があっても、必ずしもそれを直接伝えてくれるとは限らず、気づいたときには商談機会の減少や取引縮小として表面化することがあります。こうした状態で営業戦略を立てても、社内の思い込みを前提にしたものになりやすく、重点顧客の選定や改善テーマの優先順位もずれてしまいます。

だからこそ、BtoB企業の営業戦略は、まず顧客の声を見える化することから始める必要があります。顧客満足度、提案内容への評価、価格に対する受け止め方、納期や対応への不満、今後期待していることなどを定量・定性の両面で把握することで、営業戦略の土台が初めて客観的になります。感覚ではなくデータで顧客を理解することが、営業戦略策定の第一歩です。

顧客の声を見える化するうえで重要なのが、「顧客に直接聞く」ことです。営業会議の中だけで議論を重ねても、そこで出てくるのはあくまで社内の解釈です。しかし、実際に継続する理由、離反を検討する理由、競合と比較した際の評価、新たに求めている価値の答えは、顧客自身が持っています。営業戦略策定においては、この事実を出発点にしなければなりません。

その手段として有効なのが、顧客アンケートやヒアリングです。たとえば、「品質」「納期」「価格」「営業対応」「提案力」「継続利用意向」といった項目を定量的に把握しつつ、自由記述で改善要望や期待を聞くことで、数字だけでは見えない本音まで把握しやすくなります。重要なのは、何を知りたいのかという目的を明確にしたうえで設計することです。満足度を確認したいのか、取引拡大の可能性を探りたいのか、あるいは解約リスクを把握したいのかによって、聞くべき内容は変わります。

また、集めた声は単純集計だけで終わらせず、業種別、取引年数別、売上規模別、担当者の役割別などで比較すると、戦略に生かせる示唆が得られます。たとえば、営業担当は「価格が課題」と考えていても、顧客は「提案の質」や「納期の安定性」を重視しているかもしれません。このズレを把握できれば、営業戦略の修正ポイントは一気に明確になります。顧客に直接聞くことは、単なる満足度調査ではなく、勝てる営業戦略を組み立てるための情報収集そのものです。

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営業戦略は「感覚」ではなく顧客の声の見える化から始める

現場の納得度と実行力を高める顧客起点の戦略

顧客の声をもとに営業戦略を組み立てる最大の利点は、戦略が机上の空論になりにくいことです。営業戦略が現場で実行されない理由の一つに、「なぜこの方針なのか」が腹落ちしていないことがあります。経営層や企画部門が一方的に重点施策を決めても、現場が必要性を実感できなければ、行動は変わりにくくなります。

一方で、「この顧客層は提案力を評価している」「このセグメントは価格よりも安定供給を重視している」「この既存顧客群には離反リスクがある」といった事実が顧客の声として示されれば、現場の納得度は大きく高まります。どの顧客に注力すべきか、何を改善すべきか、どの提案を強化すべきかが明確になり、営業担当者も具体的に動きやすくなります。

さらに、顧客起点の戦略は、現場推進の仕組みともつなげやすいという特徴があります。たとえば、顧客アンケートの結果をもとに改善テーマを整理し、重点顧客ごとのスコアや課題を共有することで、営業会議の質が変わります。感覚的な議論ではなく、顧客の事実に基づいたアクションプランが立てられるため、戦略と現場行動がつながりやすくなります。つまり、顧客起点の営業戦略は、正しい方向性を示すだけでなく、実行推進力そのものを高める役割を果たします。

BtoB企業における営業戦略策定のポイントは、

①顧客の声を感覚ではなくデータとして見える化すること
②社内ではなく顧客に直接聞き、顧客が持つ答えを起点にすること
③顧客起点で組み立てた戦略によって、現場の納得度と実行推進力を高めること

にあります。
顧客の声を軸にした営業戦略は、組織全体の意思決定の質を高め、持続的な成果創出につながります。まずは顧客の声を正しく捉えるところから、営業戦略の再構築に取り組んでみてはいかがでしょうか。

著者

タナベコンサルティング
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部
コンサルタント

荒井 拓弥

ファッション商社にて販売、店舗マネジメント、出店、海外駐在、人事業務を経験後、ファブレスメーカーにて生産管理、バックオフィス管理、EC運営に従事。当社に入社後は、顧客に寄り添い現場から課題解決を導くことをモットーにしながら、BtoCビジネス分野を中心に、新規事業開発・戦略構築テーマで活躍中。

荒井 拓弥

営業戦略策定・体制強化コンサルティング

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