BRAND INSIGHT 事例・コラム

建設業におけるブランディング活動の
ポイント

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  • ブランディング戦略
  • ブランドビジョン
  • 市場理解
  • 競争力強化
目次

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建設業界を取り巻く環境は、日々大きく変化しています。

労働力確保やデジタル化、環境への配慮など数ある課題に対し、自社が一番に選ばれる企業になるべく、多くの建設企業がブランディングに取り組み始めています。

建設業が抱える課題解決に、ブランディングが重要視される理由

自社が選ばれる理由がブランドになる

2024年4月に適用された「働き方改革関連法」によって、時間外労働の上限規制が適用されることから、各企業は人材の確保や働き方そのものの見直しを、建設業界全体の課題として対応を求められました。(建設業の2024年問題)

それから一年が経つ今では、引き続き人材の確保はもちろん、DX対応や環境配慮など、建設業を取り巻く経営環境は日々新たな課題を抱えています。こうした変化に対応できない企業は淘汰され、競争に追いつけず、結果的に競合他社との差が広がってしまう現状があります。

そんな中、建設業の経営者が率先して取り組んでいることが、「ブランディング」活動です。流動的な市場環境下の中で、自社独自の強み(価値)を今一度見つめなおし、強みをブランドとしたブランディング活動を行うことで、自社が選ばれる理由を明確にする活動を行っています。

「なんとなく受注してきた」「大型の下請け先が連続で決まってきたのでOK」といったように、明確な理由がない中で積み上げてきた経営活動は諸刃の剣であり、危機感を抱いている経営者が多いことも事実です。今こそ、自社が選ばれる理由(強み)を見直しましょう。

自社のブランドの強み(価値)を見直そう

3つの価値を基点とした強みづくりが重要

時には「未来的思考」も必要

建設業におけるブランディング活動のファーストステップは、自社のブランドの強み(価値)、即ち「選ばれる理由」を見直すことが重要です。自社の強みを見つめ直す際のフレームワークとして、タナベコンサルティングでは「3つの価値基点」を推奨しています。

1. 専門価値(商品・技術・サービス)
自社における商品やサービスによって生み出される専門的な価値は何か。

2. 人材価値(組織風土・教育制度)
自社で働く社員や社風の良さ、組織文化から形成される価値は何か。

3. 社会価値(CSR・地域創生)
自社の事業及び経営活動自体における社会的価値は何か。

3つの観点で強みを見直すにあたり、「自社に価値が見当たらない」といった声をいただくことがあります。こうしたケースは珍しくはなく、実情が伴っていない中で、過大評価をして無理やり強み(価値)にすることは本末転倒となってしまいます。

こうした企業が、自社の強みを作り上げていくうえで重要にしたい視点が、「未来的視点」での強みの見直しです。一種のビジョン的観点でのアプローチで、自社の強みを見直すことで、「〇〇の知見と経験を活かし、〇〇事業に特化を目指すブランド」など、社員への意識の統一を図る観点で取り組みを行ってみてください。

ブランドの強みを伝える「ブランドビジョン」を明確化

自社の強みを、社員全員が共通言語で顧客に伝えられる状態にしよう

ブランドの強みが明確化された際、その明確化された強みを顧客に伝えるメッセージに落とし込むことが重要です。抽象的な強みがばらついて点在している場合、社員から顧客に対して発信される強みの内容がバラバラとなり、一貫性のあるコミュニケーションが取れなくなってしまいます。

営業チームが「工期の速さとコストの安さ」を強みと顧客に伝えている一方で、設計チームは「機能性とデザイン性が強みだ」と顧客に伝えている場合、顧客が思う、その会社への強みのイメージはばらつき、棚卸しした「ブランドの強みが伝わらない」といったことは、多くの企業に起こりうることです。

私たちは、ブランドの強みを「ブランドビジョン」として顧客に伝えています。

ブランドを正しく魅力的に伝えられる状態にすることで、ブランドの一貫性が実現すると考えます。具体的には「ブランド実現の旗印となる、コンセプト・パーソナリティー・目指すべき未来像・価値創造ストーリーを言語化したもの」としています。ブランドの強みをベースに、企業理念・経営者のビジョンなどを加味した上で、顧客に伝えるビジョンに落とし込むことが重要です。

出所:タナベコンサルティング作成

ブランディング活動は顧客への自社のイメージを創造する、一種の企業活動とも言えます。

一貫性を持った活動を、全社員を巻き込んで行うことが成功のカギです。自社の強みを振り返りながら、顧客に選ばれるためのブランディング活動を行っていきましょう。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
ゼネラルパートナー

伊藤 健一郎

「まず自らがその商品・サービスのファンになる」ことをモットーとし、ブランドビジョンを基にブランディング活動を一気通貫で支援するコンサルティングを展開。食品・医薬品・飲料・小売・生活用品メーカーをメインに実績多数。ブランド構築から、マーケティング戦略構築、PR観点でのプロモーション実装支援のスタイルで顧客のファンづくりに貢献している。

伊藤 健一郎
ブランディングに関する相談会

DOCUMENTブランディング・PR関連資料

CONSULTATION 相談会

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