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ブランディング!その目的と成功に導くプロセスとは?

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現在、各企業におけるブランディングの必要性が、ますます高まってきています。
デジタル化による情報過多、顧客期待の変化、競争の激化、企業の信頼・信用・透明性の必要性など、人々はいつでもどこでも情報にアクセスし、価値観は多様化し、企業努力を怠ったり、変化に適応できない企業は淘汰され、信用の失墜はすぐに世界を駆け巡り致命的な傷を負う時代です。

ブランディングの目的は、「企業や製品、サービスなどの識別可能なイメージやアイデンティティを構築すること」ですが、ブランディングを行うことは、前述した現代のトレンドにおいて、自社商品・サービスの優位性であったり、信頼性をユーザーに伝える、効果的な経営手法だといえます。

時代の変化をプラスに捉え、デジタルをうまく活用し、多様な価値観を持つユーザーを特定する、もしくは、ユーザーカテゴリー1つ1つを定義しすべてに対応することで、自社ブランドのポジションを明確になり、その分野で唯一無二の価値観を築くことができます。ブランディングの成功は、情報過多の世の中で、ステイクホルダーへライバルとの差別化を認知させ、企業・事業・商品・採用などの競争優位性を高めることといえます。

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ブランディングの目的 ーあるべき姿の設計ー

冒頭でも触れましたが、ブランディングの目的は、「企業や製品、サービスなどの識別可能なイメージやアイデンティティを構築すること」にあります。それにはいくつかの側面があります。

1.差別化と競争力の向上
ブランディングはユーザーに商品・サービスの価値や特長を伝え、競合他社からの差別化を図るための手段です。 これにより、ユーザーは商品・サービスのブランドを他社と区別し、選択する際に優先的にそのブランドを支持します。

2.ユーザーの認知度と忠誠心の向上
良いブランディングは、ユーザーの認知度を高め、ブランドに対する信頼感や忠誠心を育みます。 ユーザーは、その企業に関連する商品やサービスを選び、長期間に渡ってそのブランドを支持します。

3.ストーリー(世界観)
ブランディングは、企業や商品のストーリーを設計します。ユーザーの感情や価値観と結びつけるよう設計することで、感情的なつながりを築き、ユーザーはブランドに共感し、そのブランドに関連する体験やストーリーに参加したいという欲求を生みます。

4.信頼・信用・安心感の訴求
良いブランディングは、企業や製品に対する信頼・信用・安心感をユーザーに提供します。ユーザーは、信頼できるブランドから購入することでリスクを軽減し、安心して商品やサービスを利用することができます。

5.ビジネス成果の最大化
最終的に、ブランディングの目的はビジネス成果の最大化に貢献することです。良いブランディングは、売上や利益の増加、市場シェアの拡大、顧客の獲得と維持など、さまざまなビジネス目標の達成に貢献します。

ブランディング ー具体的検討プロセスー

ブランディングの目的はわかりました。ではどのように進めることが良いのか?ブランディングはコンセプトの設計からプロモーション実施まで、一貫性が必要です。

例えば、ブランドメッセージがビジュアルやストーリーと合わないなど一貫性がなければ、伝えたい付加価値をユーザーがイメージし、支持を得ることはできないでしょう。また、正しいプロセスを踏むことで、進捗管理がしやすくなり、各段階での成果や課題を明確に把握できます。具体的には下記のようなプロセスで進めるのがよいでしょう。

1.目標(あるべき姿)の設定
ブランディングプロセスを開始する前に、明確な目標を設定します。商品やサービスがブランディングで達成したい結果や効果を定義・イメージします。

2.ターゲット(ペルソナ)の理解
ブランディングを成功させるためには、ターゲット(ペルソナ)を理解することが重要です。顧客のニーズ、好み、行動パターンを分析し、ブランドメッセージを効果的に伝える方法を特定します。

3.ブランドアイデンティティ(我々は何者であるか)の設計
ブランディングプロセスでは、ブランドのアイデンティティ(我々は何者であるか)を明確に定義します。
これには、ブランドのミッション、ビジョンなどの切り口から議論するのが良いでしょう。

4.ブランドメッセージ(コンセプトとストーリーを考える)
ブランディングでは、ブランドメッセージを設計し、一貫したストーリー(世界観)を伝えることが重要です。ブランドメッセージは、ターゲットに向けてブランドの独自性や価値を伝える役割を果たします。

5.ブランドエクスペリエンスの設計(体験ポイント戦略の設計)
ブランドエクスペリエンスは、ユーザーがブランドとの接点で感じる体験ポイント戦略と言えます。各体験ポイントとそこでの目的、訴求方法を検討することが重要です。

ブランディングにも、その他いろいろなプロセスや考え方がありますが、大切なことは、ブランド戦略をロジカル(プロセスに従って)に実行し、効果測定することです。定期的に評価と改善を通じて、ブランドの成果を最大化できるようリライトしていくことが重要です。

効果的なプロモーションとは‼ ーカスタマージャーニーから導くプロモーションの進め方ー

ブランディングは、コンセプトやストーリー、メッセージやロゴを作っただけで、終りではありません。 これらをターゲットに効果的にお届けし、商品やサービスの購入や促進を促すことが最終ゴールです。 これらを考えるファーストフレームとして、カスタマージャーニーがあります。

カスタマージャーニーは、顧客が商品・サービスを認知してから、購入や申し込みに至るまで、各ポイントで何を目的にどのように訴求するかを検討するフレームとなります。また、単に購入いただいて終わりではなく、その後のリピートや口コミまで検討することが重要となります。

具体的な例としては「認知ー理解ー検討ー購入」などの流れが一般的ですが、業界、業種によって、より具体的な流れで作成するのが良いでしょう。例えばホテルのカスタマージャニーの流れで考えると「宿泊施設検索ー宿泊先決定ー宿泊ー評価」ということになります。これらの各段階のタッチポイントをオンラインオフラインで検討します。

まず宿泊施設検索フェーズでは、ホテルサイトの検索や口コミ(WEBのレビューの検索)、リアルの友達からの口コミなども意識したタッチポイントでの施策ということになるでしょう。また各段階でターゲットがそれを見たり体験したときにどの様な心理状態になるかなどの予測を記載しておくと良いでしょう。その1つ1つの段階での媒体や体験をオンラインオフラインで検討し、具体策まで落とし込みを行っていきます。

ただし、これらをやっていくには、WEBやSNSなどのデジタルツールや分析なども必要になるため、そのような人材や体制が整っていない企業はまずは外部の組織と伴走することをお勧めします。まずは、自社がこれらを効果的かつ効率的に実施できるかをチェックしてみることが重要となります。

おわりに

近年では、ブランディングもかなり認知されてきましたが、まだまだ必要性の理解に乏しい経営手法といえます。それだけに優先順位は後回しになり、なかなか手を付けない経営者も多いのではないでしょうか?

しかし、しっかりと戦略設計しターゲットへメッセージや体験を伝える事ができれば、これほどブランドを軸として、ユーザーとのエンゲージメント、企業価値向上、採用、パートナーの信用などにおいても、シナジーを生む経営手法は少ないでしょう。まずは、ブランディングを自社に置き換えて、考えてみてはいかがでしょうか?

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフマネジャー

池谷 滋

クライアントのブランディング支援において、語り継ぎたい「志=企業のDNA(存在価値)」をあぶりだし、経営的な視点だけでなく、デザイン的なビジュアル視点や、コピーライティング、SNSなど、戦略実現にむけ、すべてのクオリティを重視するトータルファシリテートを得意とする。現在はプル型営業支援のみならず、プッシュ型営業支援にてクライアントの新規顧客獲得実績も数多く上げている。

池谷 滋
ブランディングに関する相談会

DOCUMENTブランディング・PR関連資料

CONSULTATION 相談会

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