COLUMN

2022.04.28

スポーツとの連携で叶える ゴール17 : パートナーシップ

企業がSDGsを推進していく中で、最後にぶつかることの多い壁がゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」です。
理由は地域・社会課題からの逆算ではなく、自社内の取り組みからSDGsを考える企業が多いためですが、そもそも自社のみの活動に留まらない「パートナーシップ」とはどのようなものがあるでしょうか?

例えばステークホルダー全体で叶えるSDGs、自治体と叶えるSDGs、募金への協力で叶えるSDGs...
そんなパートナーシップの選択肢のひとつとして、スポーツチームとの連携を考えてみませんか?

なぜスポーツチームとのパートナーシップなのか

スポーツの持つ価値を考える

スポーツの持つ価値・魅力とはなんでしょうか?
「競技を通して味わう感動」「応援する側の一体感」「非日常空間」など人によりそれぞれ思い浮かぶものがあるのではないでしょうか?

オリンピックやワールドカップなどの国際大会では普段応援している競技でなくとも気が付けば日本の結果を追っていたり、甲子園やインターハイなど「この1勝」を必死で追いかける学生スポーツを見ては熱が入ったり、そんな経験はないでしょうか?

言葉が通じなくても、ルールがなんとなくしか分からなくても人を惹きつけるのがスポーツの魅力だと感じています。

スポーツとSDGs

それでは、スポーツとSDGsはどのように関係があるのか。
先ほどの価値・魅力に「SDGs」というフィルターをかけたときに残るものは何でしょう?

実は国連も「スポーツの力」はSDGsの活動に通じると注目をしており、以下のように有効性を認めています。
「スポーツもまた、持続可能な開発における重要な鍵となるものである。
我々は、スポーツが寛容性と尊厳を促進することによる、開発および平和への寄与、また、健康、教育、社会包摂的目標への貢献と同様、女性や若者、個人やコミュニティの能力強化に寄与することを認識する。」
(持続可能な開発のための2030年アジェンダに向けた宣言 より)

このようにスポーツのもつ魅力そのものがSDGsに密接に関わっており、課題解決をするうえで有効なコンテンツの一つだと言えます。

なぜスポーツチームとのパートナーシップなのか

スポーツ業界と企業の関わり

全く関係のない話・・・ではありません

スポーツがSDGsにおいても魅力・価値を発揮できるコンテンツだということはご理解いただけたでしょうか?
では、自社にはスポーツは関係ないから・・・で切り捨てるには惜しくはないですか?

スポーツの企業の関わりとして、例えば、自社が運営する実業団チームを所有していたりスポーツ用品を扱っているメーカーなどであれば、既に密接に関わっていることでしょう。
また、例えば年間シートを保有している、スポンサー企業として広告掲出をしている なども関わりの一つですが現時点で直接の関係はないという企業も多いでしょう。

では、これからも全く関係がないかというとそうではありません。
現在は様々なスポーツのプロリーグ化が進み、「ホームタウン」と呼ばれる活動拠点をもつスポーツも増えています。
サッカーのJリーグを筆頭に、バスケットボールのBリーグもホームタウン制を敷いており、チームと地域社会が密接に関わり合い活動をしています。
自社の根差す地域にスポーツチームはありませんか?

スポーツと企業の関わり方の変化

近年スポーツチームと企業との関わり方にも変化が生じています。

これまでは、スポンサー=広告主 という考え方が主流で、スタジアムやアリーナへの広告掲出やユニフォームへの広告掲出を中心に、企業はチームを支えながら、自社のPRがどこでできるのかという部分を費用対効果とすることが多くありました。

一方近年では、支える企業側も「広告」だけを求めているわけではなく、「連携」によりスポーツの強み・自社の強みを相互発揮できないかという部分に注目が集まっています。
それは必ずしも競技に関わる部分のみではなく、地域連携や社会貢献の分野にも広がっているのです。
そしてこの地域連携・社会貢献の分野こそ、企業とスポーツチームが共に取り組むSDGsへ繋がります。

目的を見失わないこと

地域・社会が抱える課題を考える

自社内で実施していること・今後できることを抽出したときに「まだ何かできるのではないか?」
という思いがあるようでしたら、地域・社会課題に目を向けてみてください。

自社のみでは解決できない課題もあるかもしれませんが、「パートナーシップ」によって解決できる課題があるかもしれません。
そこに気が付き、考え、実践することが次に我々が求められてることではないでしょうか。

各企業がそれぞれ強みを活かすことで解決できる課題も多くあります。
ただ、それでも解決が難しい課題も、地域や社会に溢れています。
そんな時に「連携による解決」を選択肢に加えることで、SDGs活動はますます活発に広域に広がるでしょう。

パートナーシップは手段でありゴールではない

ここまで、スポーツチームとの連携を中心にパートナーシップによる課題解決の可能性について触れてきましたが、忘れてはいけないのは、そもそも「パートナーシップによる課題解決」がゴールではないということです。

あくまでも「パートナーシップ」は課題を解決する手段の一つ、自社のみでは解決が難しい場合の選択肢に過ぎず、それ自体が目的ではないということをくれぐれもお忘れのないようにしてください。

著者

タナベコンサルティング
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部

髙橋 深法

プロスポーツチームへフロントスタッフとして社会課題の支援に取り組む経験を持つ。営業、広報をはじめ、集客・ファンクラブ運営・各市町村との連携など幅広い業務を経験後、当社へ入社。コンサルタントのアシスタントとして、チームコンサルティングの支援をはじめ、クライアントサクセス、ウェビナー運営、顧客への訪問等、幅広くコンサルタントを支援している。

髙橋 深法

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タナベコンサルティンググループは
「日本には企業を救う仕事が必要だ」という
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66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、
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