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VUCAの時代において、企業が生き残り、成長し続けるためには、論理的かつ構造的な「経営戦略」が不可欠です。戦略策定の具体的なステップと明日から使えるフレームワーク、実例を用いた戦略パターンを解説します。
経営戦略策定4つのステップ
(1) 現状分析
自社を取り巻く外部環境(市場、競合、法規制など)と、内部環境(リソース、強み、弱み)を客観的に可視化します。
(2) ビジョン設定
「5年後、10年後にどのような姿でありたいか」というビジョンを再定義します。単なる数値目標だけでなく、社会における存在意義を明確にすることが求められます。
(3) 戦略ドメイン(事業領域)の決定
「誰に」「何を」「どのように」提供するかを決定します。既存事業の深掘りなのか、新市場への挑戦なのか、リソースを集中させる領域を見極めます。
(4) 戦略の具体化とアクションプラン策定
決定したドメインに基づき、具体的なアクションプランに落とし込みます。いつまでに、誰が、何を達成するのかというKPIを設定します。

経営戦略策定に役立つフレームワーク5選
戦略を構造的に考えるための「型」がフレームワークです。代表的な5つを紹介します。
(1) PEST分析(マクロ環境分析)
①内容
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの視点から、自社ではコントロールできない外部環境の変化を捉えます。
②活用例
例えば、食品製造業の場合、「Society:健康志向の高まり」や「Technology:代替肉製造技術の進化」というマクロの波を捉えることで、次世代の製品開発の方向性を定めやすくなります。
(2) 3C分析(ミクロ環境分析)
①内容
Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点で分析し、自社の成功要因(KSF)を見つけ出します。
②活用例
地方の温泉旅館であれば、「顧客:近隣都市の若年層カップル」「競合:大型リゾートホテル」「自社:1日3組限定の隠れ家感」と整理することで、「プライベート感の徹底追求」という戦略が見えてきます。
(3) SWOT分析(現状整理と戦略導出)
①内容
内部環境の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」、外部環境の「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」を掛け合わせます。
②活用例
「強み:高度な金型技術」×「機会:電気自動車(EV)市場の急拡大」を掛け合わせる(クロスSWOT)ことで「EV専用部品市場への新規参入」といった攻めの戦略を導き出します。
(4) アンゾフの成長マトリクス
①内容
「製品」と「市場」を軸に、成長の方向性を「市場浸透」「新製品開発」「新市場開拓」「多角化」の4つに分類します。
②活用例
既存の飲食店が、培った調理技術を活かして「冷凍食品のEC販売」を始める場合、これは「新製品開発」あるいは既存客以外を狙うなら「新市場開拓」としての戦略となります。
(5) VRIO分析(競争優位性の検証)
①内容
Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)の観点から、自社の強みが持続的な競争優位性を持っているかを検証します。
②活用例
ある食品メーカーでは「創業以来受け継がれる秘伝のタレ」は、希少性(R)が高く、他社が真似できない模倣困難性(I)も備えています。これを組織(O)として守り育てる仕組みがあれば、強力な武器となります。

経営戦略事例 4パターン
有名企業の成功事例を4つの戦略パターンで紹介!
(1) 差別化戦略
①戦略パターン
高い付加価値を提供し、価格競争に巻き込まれない独自の地位を築く戦略
②企業例
株式会社星野リゾート
③業種・事業内容
ホテル・旅館の運営、リゾート開発
④戦略内容
「運営特化型」のモデルを採用。各地の文化や魅力を再定義した「地域特化型の体験」を提供することで、競合他社にはない圧倒的な顧客体験価値を創出し、高い客単価とリピート率を実現しています。
⑤戦略の主なポイント
a) 所有と運営の分離による効率化
b) 徹底した「日本流」のサービスデザイン
c) スタッフのマルチタスク化による柔軟な運営
(出典:同社公式サイト、各種ビジネス誌インタビューより抜粋)
(2) コストリーダーシップ戦略
①戦略パターン
規模の経済やプロセス改善により、業界内での低コスト構造を築く戦略
②企業例
株式会社ニトリホールディングス
③業種・事業内容
家具・インテリア用品の製造・販売
④戦略内容
「製造物流IT小売業」という独自のビジネスモデルを確立。原材料の調達から製造、物流、販売までを一貫して自社で行うことで中間コストを徹底的に排除し、「お、ねだん以上。」の低価格を実現しています。
⑤戦略の主なポイント
a) 川上から川下までを内製化するSPAモデル
b) 圧倒的な店舗網によるボリュームディスカウント
c) 自社物流網による配送コストの極小化
(出典:同社 アニュアルレポート等より抜粋)
(3) 集中戦略(ニッチ戦略)
①戦略パターン
特定のターゲット層や地域にリソースを集中させ、その領域で圧倒的シェアを獲る戦略
②企業例
株式会社ワークマン
③業種・事業内容
作業服・作業関連用品、アウトドアウェアの販売
④戦略内容
もともと職人向けの作業服市場で高シェアを誇っていた同社が、高機能・低価格という強みを活かして一般消費者向けの「ワークマンプラス」を展開。特定の機能性(防水・防寒等)を求める層へ集中しました。
⑤戦略の主なポイント
a) 職人市場で培った「高機能×低価格」の活用
b) ターゲットを広げすぎない「機能性重視」の軸
c) データ経営による徹底した在庫管理
(出典:ワークマン公式サイト、IR資料より抜粋)
(4) 多角化戦略
①戦略パターン
既存事業の強みを活かしつつ、新たな市場や製品へ展開し、事業ポートフォリオを強化する戦略
②企業例
富士フイルムホールディングス株式会社
③業種・事業内容
写真フィルム、ヘルスケア、マテリアルズ事業
④戦略内容
写真フィルム市場の縮小という存亡の危機に対し、フィルム製造で培った「高度なナノ技術」や「コラーゲン技術」を応用。化粧品(アスタリフト)や医療機器、医薬品へと大胆に事業転換を成功させました。
⑤戦略の主なポイント
a) 自社の「コア技術」の再定義
b) 異業種への技術転用による新規市場創出
c) 積極的なM&Aによるスピード感ある多角化
(出典:同社アニュアルレポート、経営ビジョン資料より抜粋)

まとめ
経営戦略策定におけるフレームワーク活用において、以下の3点が重要です。
①フレームワークは「目的」ではなく、あくまで「手段」であると認識すること
②定量データと現場の定性情報を融合させること
③「一貫性」と「柔軟性」のバランスを保つこと です。
変化の激しい現代では、戦略は一度作って終わりではなく、常にアップデートし続け変化させていくことが重要です。
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