COLUMN
コラム
本コラムはタナベコンサルティングのTCG REVIEWにて掲載している記事を転載したものです。
米国やEUと比べて営業利益率が低く、国際競争力に乏しい日本の製造業。持続的成長のためには、「本業で稼ぐ力」を高める必要があります。そのような中、タナベコンサルティングは2023年1月27日、「製造フォーラム」を開催。特別ゲスト2名による、環境に適応し、常に変化し続けるための取り組みと、タナベコンサルティングのコンサルタント3名による講演をリアルタイムで配信しました。
※登壇者の所属・役職などは開催当時のものです。
非連続の時代に、M&Aを駆使して「自己変革」を促します。外部環境の変化に「耐える」のではなく、「適応する」ためのビジネスモデルに、短期間で変革させる手段が「成長M&A」です。まずは、ビジョンを明確化し、現実とビジョンのギャップを埋めます(いつまでに、どこを目指すのか)。その後、成長戦略(承継戦略)としてM&Aを行います。
製造業におけるM&Aのポイントは次の3つです。
1.自社の得意分野・品質を高めるための事業強化
M&Aを活用して工場や人的資本を獲得し、自社の得意分野や製品の品質を強化します。エリア拡大を目指す場合は、求められるレベルの品質に合わせて製造する柔軟性も求められます。
2.バリューチェーンの強化
複数の事業の柱を持つ(=課題解決の数だけ事業がある)場合は、事業ドメインごとに強化の手法は異なります。全てをオーガニックグロース(企業がその内部資源によって成長する戦略)、あるいは、ノンオーガニックグロース(企業の合併や買収によって新しい事業や製品、サービスを取り込んで収益を伸ばす戦略)で解決することは、変化の速い現代においては現実的ではありません。長期ビジョン、中期ビジョン、セグメント別事業戦略と検討を重ねる過程で、併せて参入戦略を検討することで、事業開発にスピード感を持たせることが可能となります。
3.AIやIoTなどのデータを活用する新規事業の開発
外部環境の変化に対応するため、異業種とのM&Aを進めるケースも少なくありません。特に、大手企業ではIT系企業をグループ化する動きが見られます。
M&Aを駆使することで、これらを短期間で実現することが可能となります。まずは、外部環境の変化に合わせて自己変革を促すことが重要です。そのための手段としてM&Aを活用して、短期間で自社の仕組みを変えていただきたいです。
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