COLUMN
コラム
本コラムはタナベコンサルティングのTCG REVIEWにて掲載している記事を転載したものです。
米国やEUと比べて営業利益率が低く、国際競争力に乏しい日本の製造業。持続的成長のためには、「本業で稼ぐ力」を高める必要があります。そのような中、タナベコンサルティングは2023年1月27日、「製造フォーラム」を開催。特別ゲスト2名による、環境に適応し、常に変化し続けるための取り組みと、タナベコンサルティングのコンサルタント3名による講演をリアルタイムで配信しました。
※登壇者の所属・役職などは開催当時のものです。
日本SDGs経営モデルの最前線-混迷の時代、羅針盤SDGsで競争に打ち勝つ-
カーボンニュートラルの実現、新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵略など、世界秩序を根本から変える出来事が連続で起きています。また、激しい時代の変化に対応するべく、企業にはさまざまなX(トランスフォーメーション:変革)が求められています。
このような「混迷の時代」において、2015年9月に"奇跡的に"国連加盟の193カ国全ての合意のもと策定されたSDGs(持続可能な開発目標)を、「経営の羅針盤」として使いこなす必要があります。SDGs17の目標だけでなく、169のターゲットを視野に入れながら、「経済・環境・社会」の解決を目指す時代がきているのです。
国際社会共通の目標・行動計画である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」によると、世界が目指すべきビジョン、要素として次の3つが挙げられます。
1.身体的・精神的な健康、社会的福祉(ウェルビーイング)が保障される世界
2.社会的に公正で、衡平で、寛容で包摂的な世界
3.持続可能な経済成長と働きがいのある人間らしい仕事を享受できる世界
これら3つは、自社のパーパス(存在意義)を明確にし、社会へどのように貢献していくのかという貢献価値を高める経営手法「パーパス経営」のヒントにもなり得ます。
製造業でSDGsという羅針盤を活用する場合、SDGs達成目標の12「つくる責任 つかう責任」を軸に経営戦略を立案する必要があります。
12の中でも、12.8「2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。」が重要であります。
そこから、「自社・クライアント企業・世間」三方良しのSDGsを進めていきます。取り組んで終わりではなく、発信することも忘れないでいただきたいです。
SDGs169のターゲットを理解し、自社の事業・そのほかの取り組みとひも付けます。
次に、「SDGsウォッシュ」(SDGsに取り組んでいるように見せかけること)を避けながら、取り組み内容を発信します。
最後に、自社におけるSDGs達成に向けた取り組みの重点を再度決め直し、他社との差別化を図ります。
まずは、ESG・SDGsを網羅するためのマトリクスを作成いただきたいです。
出所:笹谷氏講演資料
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