VUCA時代だからこそ取り組み"続ける"
インナーブランディング・アウターブランディング

事例 2026.10.19
営業&マーケティングDX 戦略・計画策定 ブランディング
VUCA時代だからこそ取り組み

VUCA時代だからこそ取り組み"続ける"インナーブランディング・アウターブランディング

POINT本事例のポイント
  1. 社内教育機関「CCCアカデミー」を設立
  2. 「働きがいある会社」としての魅力
  3. 人的資本の情報開示を継続

コンクリートコーリング様は、「コンクリートの撤去・除去の課題解決」を経営理念に掲げ、社会インフラを支えるリーディングカンパニーとして、新しい機材と技術を駆使した解体工事業を展開されています。
同社では、数年前から「人的資本経営」を企業の根幹に据え、どのような時代においても社員が主役となれる職場環境の実現を目指し、制度や風土のアップデートに継続して取り組まれています。
本コラムでは、タナベコンサルティングより、同社の具体的な取り組みをご紹介いたします。

1.インナーブランディング

(1)変革は足元から

2012年、藤尾浩太社長が就任した当初、同社は「昭和初期のような会社」だったと言います。経営理念は存在せず、組織は個人依存で、掃除すら行き届いていない。入社順によるヒエラルキー(いわゆる"吉本方式")が暗黙のルールとして存在し、男女間の賃金格差、女性のお茶くみ慣行、紙での業務管理など、制度・文化ともに時代から取り残されていました。
藤尾社長はこの状況を打破すべく、経営理念・行動指針・求める社員像を明文化し、変革に着手します。全社員参加の掃除活動から始まり、吉本方式の廃止、社員教育の強化、賃金制度の男女平等化、紙からデジタルへの移行と、一つひとつの"当たり前"を再定義していきました。
さらに2019年には、社内教育機関「CCCアカデミー」を設立。従来5年かかっていた育成期間を3年に短縮し、業務対応力の向上とともに業績も改善。自己資本比率も着実に回復するなど、人的資本への投資が成果として表れています。

(2)一体感を育てる仕掛け

改革は制度面だけにとどまりません。社内の物理的な"壁"を取り払うため、2022年に新社屋を建設。部署ごとにフロアが分かれ、部長ごとの独立王国のようになっていた社内環境を、ワンフロア設計に刷新。これにより情報共有と風通しが格段に改善され、組織の透明性と一体感が生まれました。
また、「心理的安全性」を重視した職場づくりを進め、2022年には人的資本経営を正式に宣言。エンゲージメント調査を基にした組織改善に取り組み、基本給の継続的なベースアップ(2022年5%、2024・2025年一律2万円)や、決算賞与の支給、選べる社員旅行制度(ハワイ・沖縄・北海道)など、"社員が大切にされていると感じる"仕組みを着実に実装しています。
さらに、チームワークアプリ「RECOG」を導入し、感謝や称賛をレターとして送り合う文化を醸成。レター数に応じて世界の子どもたちに給食を寄付するなど、社内の連帯感が社会貢献にもつながる仕組みが築かれています。

2.アウターブランディング

(1)技術と風土、その両輪を伝える

コンクリートコーリング様の強みは、社内の改革と並行して、それを対外的に発信する力にも優れている点です。単に技術力を誇るだけでなく、「働きがいある会社」としての魅力を明確に打ち出しています。
技術面では、2019年に世界各国の技術者が集う国際コンテストで、日本企業として初めて「ダイヤモンドアワード最優秀賞」を受賞。2023年と2025年には「土木賞」も受賞し、社会インフラの切断・撤去を担う専門企業としての信頼と実績を築いています。
一方、採用・労務のブランディングでも、「学生に知ってほしい働きがいのある企業AWARD」で産経新聞賞を受賞し、関西テレビ「ここスゴ!認定企業」や、就活メディア「しごとドーガ」にも取り上げられるなど、若者からの注目も集めています。
ホームページの刷新では"笑顔あふれる職場"を前面に打ち出し、完全週休2日制や明確なキャリアパス、ジェンダー平等の実現といった「働きやすさ」を、情報として分かりやすく社会に届けています。

(2)People Fact Bookというメッセージ

2022年以降、同社はISO30414に準拠した「People Fact Book」の発行に取り組み、人的資本の情報開示を継続しています。2025年には正式なISO認証も取得。これは単なるデータ公開ではなく、企業の理念と歩み、そして未来への意志を伝える"企業の名刺"です。
ここに掲げられたPurposeとDreamは以下の通りです:

・Purpose:老朽化したインフラ更新に課題を持つ顧客に安心と品質を提供する
・Dream:ロボットと機械化施工を軸に、安全で革命的な工法を生み出す業界のパイオニアとなる

この冊子を通じて、社員一人ひとりが「自分たちの仕事が何を支えているのか」を理解し、誇りと責任感を持つことができる。それこそが、社内外のステークホルダーを巻き込んだブランディングの真髄といえるでしょう。

まとめ:人的資本を軸にした好循環経営

制度を整えるだけでは、企業は変わりません。
それを"続ける"ことで初めて、文化として根づき、信頼として社会に伝わっていきます。
コンクリートコーリング様は、まず足元であるインナーブランディングに注力し、それを基盤にアウターブランディングを着実に展開することで、「信頼される技術者集団」としての企業像を確立されてきました。
人的資本経営を中核としたこの変革は、社員にとっての"誇り"と、社会からの"信頼"を両立する持続可能な経営モデルであり、VUCA時代における企業のあるべき姿を体現しています。

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AUTHOR著者
デジタルコンサルティング事業部
チーフコンサルタント
大石 和輝

企業のブランディング・プロモーションなど、戦略立案から実行支援、クリエイティブ制作までワンストップの支援に携わる。Webプロモーションを活用したリアル×デジタルの顧客育成を得意とし、建設土木企業の採用ブランディング・プロモーション支援の実績を持つ。常にクライアントの心情を考えたコンサルティングを心掛けている。

大石 和輝
COMPANY会社情報
会社名
コンクリートコーリング株式会社
所在地
大阪府大阪市都島区毛馬町5丁目15−28
設立
1978年11月11日
代表者
藤尾 浩太
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