生産性改革を通じて、最高のクオリティーを追求し続ける!

事例 2025.04.09
マネジメントDX 人材育成生産性向上 イノベーション業務効率
生産性改革を通じて、最高のクオリティーを追求し続ける!

生産性改革を通じて、最高のクオリティーを追求し続ける!

POINT本事例のポイント
  1. 1ヵ月の活動時間分析
  2. デジタル活用による効率化

光徳電興株式会社は、1940年創業の、電気設備工事・電気通信工事・消防施設工事の設計および施工・管理を主な事業とする企業で、工場・マンション・福祉施設など、その施工実績は多岐に渡っており、売上も年々増加しています。その一方、約50名の社員数だけではカバーできなくなってきており、採用活動を強化するとともに、1人ひとりの生産性を高める取り組みも進めています。ポリシーである「常に最高のクオリティを求めていく」の実現に向けて歩みを続ける、光徳電興株式会社の事例を紹介をします。

1.現状調査・・・生産性改革のタネがあちこちに

(1)1ヵ月の活動時間分析・・・コア業務は4割弱しかない!

まずは現状を知るため、全社員で1カ月間、勤務時間の詳細についての分析を行いました。15分刻みでどのような業務をしたのかを正直に記録し、その上で「コア業務」と「ノンコア業務」の2つに大別しました。
コア業務 会社の本業であり、売上の拡大に直接つながる業務(現場立会、見積作成など)
ノンコア業務 それ以外の効率化すべき業務(現場作業、現場書類作成、社内書類作成など)

分析の結果分かったことは大きく2つ、
・1人1日あたりの勤務時間が10時間程度と、残業が常態化していること
・コア業務が全体の4割弱しかなかったこと
です。つまり、ノンコア業務を削減できれば、残業をなくすことができ、さらに売上の拡大や新しい価値の創造といったクリエイティブな業務に振り向けることができることが、データからも分かったのです。

(2)改善ディスカッション・・・ノンコア業務に対する意見が次々と!

勤務時間の調査を進めるとともに、常態化している残業をなくすにはどうすればよいか、メンバーとのディスカッションを重ねました。そこから見えてきたポイントがいくつかあります。

<その1>コア業務である「現場監督」を増やすと、社内にいる時間がほとんどなくなること
→ そのため、「社内に戻ってから書類などを仕上げる」ようでは非効率ですし、データが紙でしかないために「社内に取りに帰らないといけない」のでも時間が増えるばかりです。

<その2>拠点が離れているため、拠点ごとの差が出てしまうこと
→ 光徳電興株式会社は大阪の本社のほかに、群馬県の北関東営業所、淡路島の洲本営業所、そのほか徳島出張所や鳥取出張所もあります。地理的に離れていることから、「ある拠点では効率よくやっているのに、そのやり方を知らない他の拠点では非効率なまま」ということが起きていました。

<その3>会議が増えて、準備も含めて時間が取られていること
→ 施工実績(つまり売上)の拡大に伴って、案件の規模や数も増えているため、見積内容の審査、施工管理内容の情報共有、竣工後の確認などで、必要な情報が増え、これにも時間が取られていました。

現状調査・・・生産性改革のタネがあちこちに

2.デジタル・現場・会議、3つの視点で改革を進める!

(1)デジタル活用

前述の現状認識を踏まえて、3つの視点で改革を進めることにしました。1つ目は「デジタル活用」です。
まず第一歩として、現場監督をする社員を中心に、スマホおよびタブレットを配備しました。現場で作業を完結させることが目的です。その上で、全社員に関係する業務を優先的にデジタル化を進めています。

<その1>チャットツールの導入
→ 社内メンバーでのチャットや、その現場に関わる協力会社メンバーを含めたチャットなど、社員によっては多くのグループを立ち上げ、スマホから簡単に返事するなど、コミュニケーションのスピードアップを図っています。

<その2>グループウェアの導入
→ 全員がスケジュール登録を徹底し、見える化・一元化をすることで、日程調整のスピードアップを図っています。

<その3>勤怠管理システムの導入
→ 残業や休暇の申請をスマホからすることで、スピードアップを図るほか、労働時間の管理業務も効率化しています。

(2)現場業務の効率化

2つ目は「現場業務の効率化」です。
光徳電興株式会社のメインは電気設備工事・電気通信工事・消防施設工事の設計および施工・管理であり、現場での作業そのものではありません。もちろん、施工・管理をするためには、現場での作業を理解し、自分でもできることが望ましいですが、全部自分でやっていては、時間が足りなくなります。そのため、仮設工事・運搬といった「これはやらない」という業務を決め、協力会社との役割をしっかり決めた上で工事を進める取り組みをしています。
また、現場業務においてもデジタル化を進めています。お客様の要望に応じて、現場に出向くことは重要ですが、どうしてもタイミングが合わずになかなか回答できないこともあります。そのため、ウェアラブルカメラをはじめとしたツールを活用し、離れていてもやり取りができるようにし、移動時間の短縮と、回答のスピードアップを目指しています。

(3)会議の効率化

3つ目は「会議の効率化」です。
社内で行っている会議・打合せを洗い出し、実施内容は適切か、参加メンバーは適切か、といった視点で総点検を行い、一部については廃止しました。ただし廃止するだけではコミュニケーションが疎かになるため、チャットツールを通じて資料や議事録を共有するなど、浸透度に差がないように心掛けています。
また逆に会議の質を高める取り組みも進めています。たとえば安全パトロールは施工管理において必要なものですが、人によって見るべきポイントに差があったり、チェックがマンネリ化したりという恐れがあります。これらを全社員でレベル統一・共有できるようにし、業務効率化と質の向上を同時に行っています。

3.まとめ

以上の取り組みにより、生産性改革を進め、売上の拡大や新しい価値の創造といったクリエイティブな業務に取り組んでいます。新しい価値の創造の1つが「光徳アカデミー」です。これは「5年で一人前」を目指した社内教育制度のことで、一人前になるためのカリキュラムも、講師を務めるのも、すべて光徳電興の社員です。こうして「社員同士が教え、学び合う」仕組みを作ることで、社外に魅力を発信し、社内は活性化し、さらなる事業発展につなげているのです。
光徳電興のポリシー「常に最高のクオリティを求めていく」の実現に向けた取り組みは止まることなく続いています。

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光徳電興様 採用HPより
光徳電興様 採用HPより
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AUTHOR著者
デジタルコンサルティング事業部
ゼネラルマネジャー
田崎 修平

大手酒造メーカーで17年間、工場での製造管理・業務効率化、本社での生産管理・原価管理・事業計画策定など幅広い業務に従事し、当社に入社。DXを取り入れながら、現場やバックオフィスの生産性向上を手掛けている。企業の最前線で働く人の気持ちに寄り添い、現場主義で粘り強く課題と向き合い、クライアントとともに解決に当たるコンサルティングが支持されている。

田崎 修平
COMPANY会社情報
会社名
光徳電興株式会社
所在地
〒530-0044 大阪府大阪市北区東天満2丁目1番10号
設立
1940年
代表者
代表取締役 本間 健将
売上高
2,930,000千円(令和6年度)
従業員数
48名 (2024年4月現在)
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