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2025.01.20

ミッションステートメントとは？
経営理念との違いを解説

経営戦略

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ミッションステートメントとは？経営理念との違いを解説

近年、多様性や複雑性が求められる社会環境において、組織の共通認識と統一性を保つため、MVVを設計する企業が増えています。一方でその浸透には課題を抱える企業も多く、社員が同じ方向に一歩を踏み出すための道標として、具体化されたミッションステートメントを合わせて作っていくことが求められています。

ミッションステートメントとは

(1)ミッションステートメントとは

ミッションステートメントとは、「ミッション」＝企業の使命や在り方、「ステートメント」＝明文化されたものを合わせた言葉であり、『わが社の使命を果たすため、必要な意識や行動を明文化したもの』という意味です。
つまり、独自のミッションステートメントを社員が表現することで、わが社の社員が独自の価値を発揮することができ、『○○会社の人』という独自の人の価値が実現されます。

そして、ミッションステートメントは、一般的にはMVV（ミッション・ビジョン・バリュー）の下に位置づけられるため、MVVが具体化された内容で構成されます。だからこそ、ミッションステートメントを表現することはバリューを発揮することに繋がり、それがビジョン実現に寄り添って、ミッションを達成していくという流れが成り立ちます。

つまり、社員の行動が会社の成長にも繋がるという善循環をつくるためのエンジンとなるのがミッションステートメントなのです。会社が成長すると社員への還元も進みます。会社と社員とのエンゲージメントを高めることにも、ミッションステートメントは寄与し、会社が持続的に成長していくためには大切な考え方です。

(2)経営理念との違いとミッションステートメントを作成するメリット

心技体で例えると、経営理念は"心"であり、ミッションステートメントは"体"を示します。ちなみに、"技"は会社の強みやコアコンピタンスを示すといったところでしょうか。
経営理念とミッションステートメントは一体である必要がありますが、同じものではなく、共に大切なものなのです。

近年、理念経営を大切にする企業が増えてきていますが、理念、つまり企業の心を浸透させるためには、社員全員が理解出来るように、あるべき意識や行動をわかりやすく咀嚼していく必要があります。
「わが社の人はこんな意識を持っています」「わが社はこんな価値を約束します」「わが社の人はこんな行動を大切にしています」といったように、普段の業務で表現できるレベルまで具体化することで、ミッションステートメントを表現することが経営理念と繋がっていきます。

そして、ミッションステートメントがあることで、社員の思考や行動に一貫性が生まれ、個がチームとして機能するようになります。チームとして機能するようになれば、社内のコミュニケーションも生まれ、成果が掛け算で創出されていくことは言うまでもないでしょう。

ミッションステートメントとは

ミッションステートメントの策定方法

(1)策定する流れ

ミッションステートメントの策定方法は以下の通りです。

①経営理念を分解する。

経営理念を実現するために必要な要素を、キーワードとして抜き出します。
1つの要素に対して、何が必要なのかを繰り返し問いかけていきます。

②わが社の変わらないことを抜き出す

変わらずに続けていることは、実は自分たちが気づいていない強みであったりします。なぜか全員やっている、必ずこの工程を踏んでいる、など、自社の当たり前を抜き出すことは潜在的な独自の価値にも繋がります。

③理念の要素と変わらないことを繋げる

わが社の変わらないことが理念のどの要素に繋がるのか、これを行うことでミッションステートメントの種ができます。そして、時代環境に合わせた行動言語に置き換えていくことでミッションステートメントが形成されます。

作成する際は、広く部門を横断し、幅広い年代のメンバーを含めた、いわゆる組織の斜め切りチームを組成してプロジェクト形式で策定するのが良いでしょう。会社と社員を繋ぐものであるため、"しっかり共感を得られるもの"を策定する必要があります。

(2)ミッションステートメントの策定事例

ある食品の製造小売会社では、3つのステップを持ってミッションステートメントを策定しています。

第1ステップ
社長含めた幹部メンバーで、「わが社の変わらないこと」「変えてはいけないこと」として広くキーワードを抽出し、なぜそれが変わらないのか、変えてはいけないのかを明文化しました。

第2ステップ
職種、年代を幅広く押さえた専門の策定チームを組成し、幹部メンバーで明文化したキーワードを実現するために、持つべき意識、行うべき行動を、職種の違い、年代の違いを超えて自由に意見交換し、ミッションステートメントとして策定、幹部メンバーに提言をしました。

第3ステップ
最終的に、幹部メンバーで言葉の整理をして、自社のクレドやHPにも反映させました。

このように、最終的には経営幹部で意思決定はするものの、社員を巻き込んだプロジェクト形式にすることで、当事者意識が生まれます。策定の段階から、浸透を意識した取り組みにしていくことが効果性を高めことに直結します。

ミッションステートメントの策定方法

まとめ

理念経営は、会社の求心力を高めていくために改めて注目されている経営手法です。
これまでに述べたように、ミッションステートメントは社員の働き方に直結するものであり、策定の段階から、浸透させることを見据えて策定しないと、ただの文章となってしまいます。しっかりと機能するミッションステートメントにするためにも、組織を広く捉えて策定することを考えてみてはいかがでしょうか。