“新入社員の受け入れ体制作りの基本” 
『STEP3-受け入れ体制の基本Ⅱ―新入社員教育のススメ』 <vol.3>  2016/2

資料をダウンロードして頂いた皆様に、さらに具体的なノウハウをご覧いただきたく、
4つのステップに分けて毎月メールでお送りいたします。

 


1カ月目:STEP1

2カ月目:STEP2

3ヶ月目:STEP3

    「受け入れ体制の基本Ⅱ―新入社員教育のススメ」
    1.OJTのススメ
    2.OFF-JTのススメ

4ヶ月目:STEP4

    「来期に向けて‐人事制度の見直し」
    1.人事制度とは何か
    2.人事制度の見直し方


 

“新入社員の受け入れ体制作りの基本”
-STEP3-受け入れ体制の基本Ⅱ―新入社員教育のススメ


今回は、STEP2の内容を踏まえた上で、新入社員に効果的な教育ノウハウをご紹介致します。新入社員教育は、OJTとOFF-JTの両方を行う事が重要となります。

職場での仕事の仕方や、スキルの習得に関しては「OJT」で実際に経験させながら教え、基本動作やビジネスマナー、基礎知識の習得は「OFF-JT」で集中して教える必要があります。

1.OJTのススメ

新入社員を受け入れるにあたって、「OJT」は非常に重要なポイントとなります。
新入社員の育成を怠ることは、人材レベルの底上げが出来ず、一部の有能な社員だけが成果を出し、成長せずに伸び悩む社員との二極化が進んでしまう可能性があります。結果的に有能な社員の負担は増加するという悪循環に陥る可能性があります。そのため、現場での育成に注力していく必要があります。

(1)OJT担当者の選定

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OJTを実施するにあたって、重要なポイントとなるのが、「OJT担当者」の選定です。
OJT担当者は、部門のエース級を選ぶことが最も効果的です。OJTとは、OJT担当者である先輩の仕事のやり方を新入社員が真似をすることで身に付けていく訓練の場です。そのため、新入社員が真似をする対象となる先輩は、より優秀な人材がベストです。新入社員にはエース級のやり方を学ぶことで、次のエースを目指してもらう事が重要となります。

(2)OJT担当者の意識改革

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OJT担当者を多忙なエース級人材にした場合、日常業務に追われ、なかなかOJTに時間を割くことができず、疎かになりがちです。しかし、忙しい中で新入社員を育成することは、OJT担当者が将来、管理職になっても必ず直面する壁であり、OJT担当者にとっての教育であるという事をわかってもらうことが重要となります。OJTは企業の将来を創る重要な任務であると共に、OJT担当=エース級の有望な人材であるという認識を持たせることでモチベーションアップに繋がります。

 

(3)OJT計画を立てる

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新入社員を育成するためには、目標をそれぞれ行動計画にまで落とし込んで、部門責任者・OJT担当者・新入社員のそれぞれが進捗状況・課題点・今後の取り組み内容を共有していかなければなりません。
OJTの計画は1年先を見越して目標を設定し、1年先の目標となるべき姿からKPIを設定し、月ごとや週ごとの具体的な行動レベルに落とし込んでいくことが望ましいと思われます。具体的には以下の手順で設定していくのが効果的です。

①1年先の目標を設定する
新入社員にとっては1年先の目標をイメージすることは非常に難しいので、OJT担当者の助言が必要になります。しかし、OJT担当者が一方的に目標を設定するのではなく、まずは本人自身で考えさせて目標を設定することが重要です。これは、新人のうちから考える習慣を身に付けること、自分が立てた目標設定に責任を持つことに繋げるためです。

②マイルストーンを設定する
マイルストーンとは、起点からの距離を表した標識のことです。1年先の目標を設定したら、次は時系列での目標を設定します。1年後の目標を達成するためには、半年後に何ができてなければならないのか、半年後の目標を達成するためには3ヶ月先には何ができてなければならないのか、という形で徐々に現在に近づいていく設定方法が望ましいと考えられます。

③目標を達成する上での課題点とアクションプランを設定する
目標を達成するために課題点とアクションプランを都度検討する必要があります。
目標を達成するために必要となる課題とその課題を解消するための具体的行動を記入することで、目標達成に向けた方向修正や遅れを取り戻すことができます。

④実績の報告
目標に対する進捗の報告と、本人コメントに基づいてOJT担当者、上司からフィードバックを与える必要があります。目標に対する意識付けを行い、フィードバックを与えることで、新入社員自身の課題点を再認識できます。フィードバックは新入社員の成長に欠かせないものですので、こまめにフィードバックを与えることが重要です。

 



2.OFF-JTのススメ

新入社員教育では、OJTだけでなく、OFF-JTも積極的に取り入れる必要があります。
学生から社会人なるにあたって、意識改革を行うために、短期間で集中的にビジネスマナー、基礎知識を教え込む事が重要です。

(1)内部研修

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主に基礎知識を教え込む場として、座学形式での研修が望まれます。社内での研修は、職場環境に馴染みやすく、今後同じ会社で働く同期とコミュニケーションを取ることで、仲間意識を強化することができます。また、講義やディスカッションの中で経営理念や社長の意思を直接伝えることで、自社の人間として組織の統一化が図りやすくなります。しかし、仲良くなりすぎてしまうと逆に学生気分を引きずってしまう可能性があります。学生から社会人としての自覚を持ってもらうためにも規律を徹底し、ある程度厳しい指導が必要となります。

(2)外部研修

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内部研修との最大の違いは、当然ですが他社の新入社員と合同で研修を行うところにあります。短期間の研修で、自社の仲間とは別に悩みや迷いを相談できる仲間を作り、学生から社会人としての意識改革を促すことができます。主に、社会人として相応しいコミュニケーション能力を身に付けるためにビジネスマナーや基本動作を教え込む場であり、社会人の基礎の部分を育成するのが外部研修です。ただし、外部研修だけでは、自社の理念や求める姿が伝わりづらくなってしまう恐れがあるので、OJTや内部研修と組み合わせることで、より効果的な教育が出来ます。




以上、今回もお読みいただきましてありがとうございます。
新入社員を教育していない会社はありません。その中で、新入社員をどう教育するかで今後の人材の成長の仕方が変わってきます。新入社員が育たないと嘆く前に、一度教育方法を振り返り、教育方法を変えながら最適な教育を実践していくことが重要です。


今回は、新入社員教育の一環として「新入社員教育実践セミナー」を紹介させて頂きます。タナベ経営の新入社員教育実践セミナーは、経営者の視点を持つコンサルタントが直接新入社員に基本動作やビジネスマナーを教えることで、新入社員としてあるべき姿を体現する人材を育成致します。
2泊3日コース(一部会場で1泊2日コース)の当セミナーは「基本の徹底」に注力しており、自社の研修では疎かになりがちな挨拶の訓練から電話応対まで、徹底してお教え致します。学生と社会人の違いを明確にすることで、今後の成長スピードをさらにアップさせるセミナーとなっております。
是非、新入社員の教育コンテンツの一つとしてご検討頂ければと思います。

経営者の視点をもつコンサルタントが、新社会人の意識を変えます。

「失われた20年」を取り戻す、未来の人材として。

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